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第2号 平成15年2月15日号
中小企業とNPOが支え合う
視点
企業の社会貢献
8年前の阪神・淡路大震災に際してボランティア活動に参加したのは、若者や個人だけでなく、多くの企業が参加し活躍しました。参加の方法に3つの形に分けることが出来る。
(1) 金銭的支援・・義援金の拠出(@会社の経費・募金からA社員からの募金B労働組合からの募金C会社醸金と社員募金を合わせる)
(2) 物的支援・・・物の拠出
(@食品会社、家電メーカー、衣料メーカーなどの救援物資拠出A社宅や寮などの使用場所の提供)
(3) 人的支援・・・人の拠出(@労使協調による参加Aボランティア団体と連携しての参加B自治体に社員の派遣
C仕事としての派遣など)
企業がこのような形で社会貢献したのは始めてで、その後急速に企業の市民活動が注目され企業経営の1つの要素になってきました。
NPOの台頭や、企業内の社会貢献に対する取り組み、大学においては境貢献に関する学部の新設、自治体との連携等「企業と社会の新たなかかわり方」を分権社会で構築し21世紀の市民・産・学・官の連携組み合わせを模索していくべき時代に入ってきた。
企業とNPOが社会貢献において、どう連携して成果を上げるか特集いたしました。
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「失われた十年」
フィランソロピーと21世紀の展望
「企業市民ジャーナル」座談会より抜粋
松下電器産業
菊地健氏
松下電器の社会活動を振り返ると、創業者松下幸之助の事業観「産業人タルノ本分ニ徹シ社会生活ノ改善ト向上ヲ図リ世界文化ノ発展ニ寄与センコトヲ期ス」というのがあります。この企業理念をベースに1964年、東京オリンピックの年に、大阪駅前に歩道橋を寄付いたしました。育ててもらった大阪の町で大変な交通戦争が起こっている。そこで「何とかしなければ」と「安全」で「安心できる」社会というものは「健全な社会があってこその企業」と早くから幸之助氏の頭の中にあった。
「儲かるということは、社会の役に立っているということ」また「その社会が安定していなければ人は幸福になれない」大正7年の創業であるが、世の中に電気製品が登場し始めできた時代でもあったが、その頃から「従業員も製品の製造・販売を通じて社会に貢献」する気風をも持つことであると教えられた。
NPOとの取り組みについては、「シチズンシップ・コラボレーション・カレッジ」で社員とその家族、一般市民の方に「よりよい市民感覚を身に付けてもらうために」フィールドワーク、ワークショップを開催する。毎回テーマーに則したNPOを選んでタイアップする。NPOは追い風に安住している感があるが、どこかで「時代を変える」という、パイオニア的魅力が欲しい。
大阪ガス(
松井淳太郎氏
大阪ガスは「パイプで地域と繋がっている」という企業理念や経営方針の中に「社会の共感を得る企業」「社会との調和と社会への貢献」という文言が古くから謳われている。
1999年長期経営ビジョン「2010年ビジョン」を策定し「お客さまの価値の増大」「株主価値の増大」と併せ「社会価値の増大」を掲げた。
「社会貢献」だけでなく環境問題、コンプライアンス、情報公開を含めた、コーポレーシトガバナンスを意識したアクションだと思っている。
NPOは「社会変革の牽引車」という点から考えると、政府や行政の負債の山積みされている中で、これを乗り切るために市民センターがいかにパワーセクターに成長していくかと思う。セクターとして力を持たなければ「社会が動く」とか「社会が変わる」ということにならない。NPOについては、コラボレーションというか、互いに刺激しあえる関係が結べるNPOがいいです「フットワークの軽さ」を企業が身に付けていくためにも、NPOに単にお金を出すだけてなく、会社の社会貢献活動に社員を巻き込んでいく、視点が必要だと思う。
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社団法人 関西経済連合会
小林義彦氏
良い会社とは何にか、企業評価の尺度が最近大きく変わってきているのではないだろうか、従来企業は規模や売上高、ROE(株主資本利益率)といった経済的指標に基づいて評価されてきたと思います。近年米国では90年代にはいってから、社会的評価が同時に重視されるようになり、社会的公正性や倫理性、地域社会や環境への配慮が注目され、SRI(社会的責任投資)の急速な拡大と無関係でなくなった。
我が国においては90年あたりから「企業と社会のあり方を考える会」が立ち上がり、その後97年頃になり企業がらみの不祥事が相次ぎ「企業倫理」が活発になった。そのために「企業の社会的責任とはなにか」「地域社会の活性化にはたす企業の役割とは」ということが議論されている。
NPOについては、企業が「市民の中に入り込んでいるかどうか」という問題があります。高まりつつあるNPOのプレゼンスについては理解していても、実際のコラボレーションとなると「何か面倒なことを要求されるんじゃないか」と考えている人たちが多数いる。
大切なのはNPOとの関係は「いろんな連携のスタイルがある」また「あっていい」と主張しマーケティングや商品開発などの面でも、多彩なパートナーシップが発揮されていいと思う。
企業市民ジャーナル編集長
市民社会研究所所長
今田 忠氏
「世の中が着実に変わってきているな」という実感をするようになった。企業を取り巻く環境、そして市民の考え方も変わってきている。環境志向をみれば企業がISO1400シリーズの取得、福祉分野でみれば、介護保険がスタートし社会保険事業法が改正された。
従来の公益活動とは違った「市民公益活動」が活発化し地方分権一括法や情報公開法も制定され、「失われた10年」と言われながら、実は大きな社会変化が進行してきた。
社会的規則とは何か、アメリカの企業は株主が第一のステークホルダーと考えるが、欧米企業は株主至上主義というより、「企業市民至上主義」になっている。
NPOに対しては、企業とNPOが出会うための「場づくり」が最も必要で、行政を含めた連携のネットワークづくりを構築するために、NPOの中間支援組織が経済団体との交流を進めるべきである。「中小企業が元気を持たないと地域社会が元気にならない」
NPOは経済的に苦しい。多くの活動家と接すると「結婚したらどうないするんだろう」
「奥さんに食わせてもらうんだろうか?」コラボレーションと言いながらも、まだまだ企業には、「NGO、NPOの基盤強化のために一定のパトロンシップが必要である」
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中小企業における
社会貢献のあり方
NPOと中小企業が協働する社会貢献は
企業の社会貢献のかたちは、さまざまであるが、中小企業においては無意識の内に社会貢献に参画している例が多々あるのではないだろうか。
「事例をあげるとすれば、」
ある小規模な総合建設業者の活動から見ると、道路工事のときにバリアフリーの仮歩道をつくることに心掛ける、また河川工事のときには河原の清掃などを実施する。
中小企業は業務の中で社会に貢献する姿勢は無意識であるかも解らないが、このような形で社会貢献や社員教育に寄与していると思われる。これまで地域の催事などでは屋台づくり、舞台づくりなどで創業以来協力しているが、これは会社の方針で「地域社会への奉仕と感謝」として決めている。
業務の面で川床改修工事は、ヘドロを除去して水質向上させる際には、堤防や河原に散乱する空き缶、ゴミの回収を行い、地域の美化に貢献している。社員もグリーンピクニックを計画し、社員の家族ぐるみの活動を続けている。河原で「バーベキューの会」を計画して楽しく社会貢献をする。「一方社員教育のあり方にも注目してみたい」金銭的な貢献、物的貢献、人的貢献という貢献は大企業の場合いで、中小企業は、会社と社員との連携から成り立っている。社員教育は講師を招き教育するのも一つの方法であるが、経営者と社員が一つになる仕組みづくりから生まれるのではないだろうか。
NPOがどのような方法で連携するかであるが、企業の規模、取り扱い商品等さまざまの状況を把握し社員教育のシステムづくりに関与するのが一つの方法ではないだろうか「ワークショップ」の手法や活用をNPOと連携して地域に貢献できることを模索する社員教育に注目していきたい。
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NPOと
中小企業との連携
横浜産ワカメで海を救おう
よこはま水辺環境研究会
横浜港でワカメを育てて海を浄化しようというユニークな実験が、特定非営利活動法人(NPO)「よこはま水辺環境研究会」によって進められている。研究会のメンバーは、個人会員を中心に建設会社や造園会社、資材メーカーなど法人会員も合わせて約60名。
生活排水の流入で港湾周辺の水質悪化が進むなか、子供たちが安心して遊べる横浜の水辺を取り戻したいとの思いから、1995年に研究会を発足した。以来磯浜の復元作業や河川の植生護岸、環境学習会、シンポジウムの開催など、多面的な環境保全活動に取り組んできた。
2000年12月にスタートしたワカメの育成もその一還である。場所は市内中区、万国橋のたもと付近。ロープにワカメの幼芽15株をつけて海中に沈めた。同研究会ではワカメがもたらす効果をこう語る。「生活排水にはリンや窒素が含まれています。人体には無害ですが、それらを餌とするプランクトンが増え過ぎると海水が酸欠状態となり汚濁を生じます。ワカメは、リンや窒素を吸収して光合成により酸素を放出しますから、水質浄化に役立つんです」こうして造られた「ワカメ場」は毎月一回調査され、ワカメの生育状況や水質改善の度合いなどが計測される。ワカメ場にメバルの稚魚が棲みつくなど、効果は徐々に現れている。また昨年3月には、育てたワカメを引き上げ、味噌汁の具にして食べるという市民参加型のイベントを企画して好評を博した。工業地帯の海で育ったワカメとはいえ、どう研究所の事前調査・分析でも有害成分はまったく検出されず、歯ごたえのあるおいしいワカメに育っていたという。
「人の食生活から出た排水がワカメを育て、海を浄化し、そのワカメが食卓に上がるという循環ができれば理想的です。ワカメは食用だけれなく、発酵して出たメタンガスをバイオマスエネルギーとして活用することが出来る(研究会)
かつて横浜港周辺は海苔の養殖が盛んで、夏ともなれば水辺に遊ぶ市民の姿も多かった。 失われた水辺文化をもう一度取り戻したい。そんな市民たちの願いが今、さまざまな環境保全活動となって動き始めている。
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用語説明
「フィランソロピー」
博愛、あるいは慈善を意味する英語。個人や企業等の団体が、教育・医療・福祉・環境保全などのために、資金を提供したり奉仕活動を行うことです。
企業が社会を構成する一員であることにちなみ、その社会貢献活動として、直接あるいは財団法人を設立して間接に慈善活動を行うことが欧米では広く行われてきた。
たとえば、米国では、スタンダード石油会社の設立者であるジョン・ロックフェラーが設立したロックフェラー財団、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが設立したカーネギー財団などが有名です。
現在でも、米国の多くの有名企業が慈善活動にきわめて積極的な貢献を果たしています。また、企業はその活動を企業の年次報告書に記載して、社会的責任を積極的に行っていることを株主にも明示しています。さらに、個人が社会貢献のための寄付をした場合、税法上の損金と認めることによって、インセンティブを賦与する制度もあります。
わが国でも、経団連が「1%クラブ」を設立し経常利益の1%を寄付することを各企業に勧めているなど、同様の活動が進められています。しかし、その規模は、米国の企業と比較すると小さく、バブル経済崩壊後低迷を続けるわが国の経済環境の下で、各企業の社会的責任遂行の一環としての積極的な姿勢が改めて求められていると言えます。
わが国経済のプレゼンスが世界的な大きさ・重要性を持っている現在、日本を支える企業が社会的貢献としてのフィランソロピーに前向きに取り込むことは、対外的なイメージアップの効果も大きいと思われる。
● フィランソロピー高度化
| ・社会融合的な労働力としての弱者救済システム |
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| ・計画的な援助システム活動 |
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| ・スポット的な寄付などの慈善活動 |
経営を読む辞典(東洋経済)高梨智弘編著より引用
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用語説明
「メセナ」
メセナとは、フランス語で文化・芸術活動への支援を意味します。企業の社会的貢献の一つとして、冠イベントや財団などを通じた支援活動を行うことです。
メセナを実施するには、大きく区分して二つの方法があります。一つは、企業名を直接前面に出し、冠イベントを行ったり、大学などに冠講座を寄付によって設けるなどの形です。もう一つは、企業が資金を負担して財団を通じてさまざまな文化。芸術活動への支援を行うものです。
欧米では有力企業がメセナによって積極的に社会貢献を果たしており、わが国でもバブル経済が頂点に達した頃からメセナの気運が盛り上がってきました。1990年には、企業メセナ協議会が設立されて啓蒙活動に乗り出しています。
具体的なメセナの実施方法の一例として、企業が収集した高名な画家の絵を、ホテルで名品展を開き展示することが挙げられます。その際、企業側は絵画を無償で貸し出し、ホテル側が輸送費と保険代を用意して、結果として得た利益を公益法人に寄付する、といった形がとられています。
バブル経済崩壊後もメセナ活動は地道に展開されていますが、岡山の蒲ム原のように、メセナを不況になれば打ち切られてしまう慈善運動としてではなく、企業存続の条件、企業活動の一環と明確に位置づけている研究開発型企業もあります。わが国でも、今後は単純な企業イメージアップからはなれた、地域文化の振興など実質的な観点からの社会貢献が増えていくと思われます。
資料・財団法人企業メセナ協議会「メセナ白書」
注・回答企業数にたいする比率(%)回答企業数は1996年度で358社
● メセナ活動率の変還
1991年度調査 42.7%
1992年度調査 56.3%
1993年度調査 62.0%
1994年度調査 67.7%
1995年度調査 65.6%
1996年度調査 66.8%
経営を読む辞典(東洋経済)高梨智弘編著より引用
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社会貢献と
おうみシニアひとづくりセンター
企業が求めるNPOは、魅力あるNPOで事業性・独創性・社会性の3つの輪が混じり合った
自立・持続・発展していける「パートナーとしてのNPO」を求めている。
おうみシニアひとづくりセンターは、中小企業が取り巻く様々の案件を中間支援するための、仕組みづくりの役目を果たすNPOを目指しています
中小企業が抱える問題点の解決にどんな方法があるか探り、時代の変化に対応し「企業変革のパートナー」の役目を果たしながら、中小企業の発展に寄与し連携することが時代にあった経営戦略ではないだろうか。
社員教育の一環として
「ワークショップ」を取上げてみました
企業が求める社員像・社員が求める会社像を「ワークショップ」の手法から探り出し、業務改善から企業改革を計り生き残りを計ってみてはどうだろうか。創業時に描いた企業理念がどうなったかを検証する必要もある。現在の社員が創業時の企業理念を知って業務をしているのだろうか。これらの手法を社員教育に生かして、業務の中から社会貢献を生み出し「健全な活力ある企業」の構築を計るべきである。
社員教育の重要性は認識しているが、機会が取れないのが現状である。しかし時代は変化してきている、その現れが企業倫理ではないだろうか。社員の意識の改革と経営者の意識の改革が企業改革に通じる。
既刊 C−ビジネスニュース 創刊0号 コミュニティ ビジネス特集
1号 TLO(大学技術移転)特集
既刊紙の入用の方は、連絡ください
2号 社会貢献特集(本号)
今後の予定 3号 企業の社会責任
4号 社員教育と人材養成
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